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【技術情報 File C-1】 光学系方式 光照射・受光計測について

概要

当社では、光照射・受光計測用のさまざまな光計測用光学系を取り扱っております。ここでは、光学系方式の光照射計測、および受光計測のご説明と、他の方式との違い、長所・短所に関して記載致します。

光学系方式 光照射・受光計測とは…

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光応用計測分野では、レーザ光やLED光などの測定光を測定対象に対して正確に照射・導入しなければならない場合があります。たとえば、フォトダイオードなどの受光素子(光半導体素子)では、実際に受光素子の受光面に対して一定パワーの光を正確に入射して光感度等の光応答特性を測定します。光導波路などのパッシブデバイスの挿入損失を測定するケースでは、光導波路の入射側コアに対して一定パワーの光を導入し、出射側コアで導波光を受光して導波損失を測定する方法がとられています。その他、バイオ細胞の特定部位に特定の光を照射して細胞の入射光に対する反応を見るケース等、さまざまな用途があります。

このようなミクロンオーダの大きさの微細構造を有するサンプルに対する光の照射・受光計測には、光ファイバを用いた計測が一般的です。微動ステージ等に固定された光ファイバの位置を微動調整して光の入射位置・受光位置を位置決めして測定する方法です。

ただ、この方法では被測定サンプルに対する光の入射位置や入射状態を直接確認することができません。また、サンプルから光ファイバ端までの距離により、入射する光スポット径や受光光量も変わってしまいます。すなわち、光ファイバの最適な入射位置・受光位置を求めるのには調芯とよばれる位置合わせ作業が必要となり、非常に時間がかかります。以上の問題点を解決する方法が、当社の光学系方式 光照射・受光計測です。

光学系方式 光照射計測

(図1)光照射用光学系の構造

(画像1)受光素子への光ビーム照射

左図1に、当社の光照射・受光計測光学系の簡単な内部構造を示します。

光照射計測の場合は、測定用ファイバ光源の光を被測定サンプル面に照射します。光ファイバ計測ポートに接続された光ファイバ端面から出射した光は、左図の赤い矢印の光路に沿って進み、装着されている対物レンズのピント位置にある被測定サンプル面へと集光・照射されます。この時、対物レンズ10倍使用時で、接続されている光ファイバのコアが1:1で被測定サンプル面へとリレーされます。たとえば、光通信用SMF(コア径10um)の光ファイバを使用すれば、被測定サンプル面に10umφのスポットが照射されることになります。このようにして、光ファイバポートに接続された光ファイバコア径相当の光スポットをサンプル表面に照射することができます。

一方、サンプル面(光スポット照射面)の状態は、左図の同軸観察用カメラで直接確認することができます。このため、測定光の照射位置や照射状態は同軸観察カメラの画像を確認することで容易に確認できます。

左下 画像1は、受光素子(シリコンフォトダイオード)に光を照射している状態です。中央の赤い点が光ビームの照射位置です。条件は以下の通りです。

  • サンプル:シリコンフォトダイオード
  • 対物レンズ:10倍
  • 照射光(光源):850nmSLD光源
  • 光ファイバ:シングルモード光ファイバ(照射径:10μm以下)

また、照射径の変更は以下の方法で可能です。

  • 光ファイバをコア径の異なるものに変更する
  • 使用する対物レンズの倍率を変更する

このように、光照射・受光計測用光学系を使用すれば、照射位置の顕微鏡画像で直接画像観察をしながら微小測定光を照射位置に簡単に導入することができます。また、照射位置の粗調整を画像で行い、微調整を実際の測定光を使用して微調芯する画像処理+光ファイバ微調芯を併用することで、測定検査スループットを大幅に上げることができます。

以上より、以下のような用途に最適です。

  • 受光素子(フォトダイオードや各種受光センサ)の光感度測定
  • 光導波路入射側への測定光導入による損失測定
  • ポリマー光配線導波路の挿入損失測定
  • バイオ細胞等への光導入

光学系方式 受光計測

(図2)受光計測用光学系の構造

受光計測の場合は、被測定サンプル面からの測定光を光ファイバ計測ポートに接続された光ファイバ端面に結合します。サンプル面から出射した光は、左図2の緑の矢印の光路に沿って進み、光ファイバポートに接続されている光ファイバへと結合されます。この時、対物レンズ10倍使用時で、接続されている光ファイバのコア径相当サンプル面からの測定光が1:1で光ファイバコアへとリレーされます。たとえば、50umコアMMF光ファイバ光ファイバポートに接続している場合、被測定サンプル面上の50umφに相当する部分からの測定光が光ファイバへとリレーされることになります。このようにして、光ファイバポートに接続された光ファイバコア径相当の光をサンプル表面から受光することができます。

光照射計測時とまったく同じく、被測定サンプル面の状態は、発光位置や発光状態を含めて左図2の同軸観察用カメラで直接確認することができます。このため、受光計測位置や受光状態は同軸観察カメラの画像を確認することで容易に確認できます。

また、光照射時と同じく、受光計測径の変更は以下の方法で可能です。

  • 光ファイバをコア径の異なるものに変更する
  • 使用する対物レンズの倍率を変更する

このように、光照射・受光計測用光学系を使用すれば、受光計測位置の顕微鏡画像で直接画像観察をしながら微小測定光でも簡単に受光計測できます。また、受光位置の粗調整を画像で行い、微調整を実際の測定光を使用して微調芯する画像処理+光ファイバ微調芯を併用することで、測定検査スループットを大幅に上げることができます。

以上より、以下のような用途に最適です。

  • 光導波路出射側での受光計測による損失測定
  • ポリマー光配線導波路の挿入損失測定
  • 半導体レーザや各種光モジュールからの受光計測

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